梅干し好きなら知っておきたい歴史「令和」になった由来にも深い関係が…

三角のおにぎりの真ん中に、きゅっと握られた梅干し。
私達日本人の食卓で当たり前のように見られる光景です。
目が覚めるような酸っぱさが癖になる、という方も多いのではないでしょうか?
そんな梅干しが日本の一般的な食卓に定着するまでには、実は長い年月を要しました。
今回は梅干しが食卓の定番になるまでの長い歴史について、詳しくご紹介します。

梅干し

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目次

    梅の歴史について

    梅の歴史について

    梅干しは梅の木に実った果実を使って作る食品です。
    まずは梅の木が日本に定着するまでの歴史について学んでいきましょう。

    梅の花木の伝来

    梅の花木の歴史は古く、今から2000年前にすでに存在したと言われています。
    明確な歴史は不明ですが、2000年前に発酵された中国最古の薬物学書「神農本草経」に梅に関する記述があるため、そう伝えられるようになりました。

    日本で梅干しが生まれるまで

    中国から日本に初めて梅が輸入されたのは、1500年ほど前のことです。
    梅の花木として入るより先に、「烏梅(うばい)」という漢方薬として輸入されました。
    烏梅は梅の実(青梅)を燻製・乾燥させたもので、その名の通りまるで烏の様に真っ黒な見た目。
    現在でも実際に使用されている漢方薬です。

    その後梅の木が輸入されますが、日本では梅の実よりも先に梅の花が浸透していきました。
    奈良時代に生まれた和歌集「万葉集」には、梅の花を題材にした和歌が多く掲載されています。

    梅干し登場は平安時代

    平安時代になると、梅の実が活用されるようになっていきました。
    日本最古の医学書「医心方」には、当時の梅干し(梅の塩漬け)が薬として使われていたと記載があります。
    また平安時代に在位していた村上天皇は病気治癒のために梅干しと昆布を入れたお茶を飲用し、治癒したと言われています。
    そのことから、梅の実は効能が高く良いものだと知られるようになりました。
    なお、村上天皇が治癒した年が「申年」だったことから「申年に収穫された梅の実は特に良いものである」と、現代でも言い伝えられています。

    鎌倉時代になると、梅干しは僧侶の間で酒のつまみとして食べられるようになりました。
    その後、将軍や御家人といった要人の間でも梅干しが浸透。
    正月には一年の活躍を願う儀式として、御家人が将軍に食事をふるまう「椀飯振」が行われていましたが、ここでも梅干しが使われています。
    椀飯振のメニューはお椀のご飯と打鮑(あわびを薄く切って叩き伸ばしたもの)、海月、そして梅干。
    これにお酢と塩を添え、折敷と呼ばれるトレイに載せて提供されました。
    この様子は「大盤振舞(おおばんぶるまい)」の語源とも言われています。

    その後室町時代になると武士の間で栄養食として重宝されるように。
    戦場でも保存がきき手軽に栄養補給が可能、という健康面の理由で、まだまだ薬に寄った存在でした。
    そしてこのことがきっかけで需要が高まり、全国で梅の木の栽培が始まったとも言われています。

    家庭で出回りはじめたのは江戸時代から

    江戸時代になると、ようやく庶民の間でも梅干しが食べられるようになります。
    梅の塩漬けから始まり、しそ漬けや砂糖漬けなど、漬け方にも特徴が出るようになりました。
    食べ物として浸透すると同時に、学術が発展して梅が持つ効用が広く知られるようになっていきます。
    江戸時代には海外からコレラが持ち込まれ伝染病として猛威を振るいましたが、当時の人々は梅干しを治療薬として活用していました。
    梅干しが持つ酸による殺菌作用で効果が表れ、コレラ終息に一役買ったと言われています。

    その後、戦時下では再び戦場食として使われるようになり、梅の需要が増加。
    米が育たないような痩せた土地で梅の木の植樹を奨励するなど、日本全土において栽培面積がどんどん増えていきました。

    昭和以降で加工品製造や研究などが活発に

    昭和に入ると第二次世界大戦が開戦。
    この戦争下ではサツマイモが主要食物となり、梅の生産量は減少していきました。
    しかし戦後、梅の効用が再注目されたことで再び栽培数が増加します。
    梅干しを初めとする加工食品の製造はもちろん、梅の持つ効用の詳細な研究や、日常生活に取り入れるための研究などが行われるようになりました。

    参考(外部サイト):梅の歴史|梅を知る|一般財団法人梅研究会

    南高梅の歴史

    南高梅の歴史

    高級品として全国で愛されている「紀州南高梅(きしゅうなんこううめ)」。
    ここからはそんな南高梅の歴史についてご紹介します。

    現在の和歌山県みなべ町周辺は、江戸時代、痩せた土地が影響して米が育たず年貢を収めることに苦労していました。
    そこで当時の藩主・安藤直次は農民に対し、山に自生するやぶ梅の育成を指示したのです。
    生命力の強いやぶ梅は、痩せた土地にもかかわらず繁殖に成功。
    やぶ梅の実は平らで小粒、肉薄でしたが、食料や薬としてその地に根付き、みなべ町を含む南部地域に栽培が広まっていきました。

    その頃、江戸では梅干しの人気が高まりつつありました。
    そのことに目を付けた南部地域は、最良品だけを塩漬けにして江戸に出荷するようになります。
    高まる需要に対応すべく、南部地域での梅の栽培はどんどん拡大。
    そのうち、よい実が生った木を掛け合わせるなど、品種改良が進んでいきました。
    1902年、高田貞楠が栽培した中に大きな果実が豊富に実る木を発見します。
    この木を高田梅と名付け、村の中で栽培を進めるようになりました。

    1950年には「梅優良母樹種選定会」が発足します。
    良質な梅栽培のため37種類の梅を5年に渡り調査・研究し、その結果、高田梅が最優良品種と認定されました。
    調査に尽力したのが現地にある南部高校の教員と生徒だったことから、高校名と高田梅の名にちなんで「南高梅」へと改名。
    この名称を使って種苗名称登録を行いました。

    このような先人たちの努力が積み重なり、現在の紀州南高梅のブランド力に繋がったのです。

    参考(外部サイト):品種紹介 南高梅|紀州田辺うめ振興協議会

    紀州南高梅を使った五代庵の梅干し

    南高梅は肉厚にもかかわらず皮が薄いのが特徴です。
    五代庵の梅干しは、そんな繊細な特徴を持つ紀州南高梅を使って製造しています。

    皮が薄く肉厚な南高梅は傷がつきやすいため、栽培から収穫において大切に扱わないとなりません。
    春先には交配のためにミツバチの力を借りて受粉させて実を作りますが、成長した実はやがて初夏になると自重で垂れ下がっていきます。
    しかし、そのまま落ちると皮が破けるので、落下する前に斜面にネットをかけて実を保護する必要があるのです。

    五代庵は、収穫後の梅干し製造工程においても手間を惜しみません。

    梅干し作りは通常1回の調味液に漬ける作業で終えますが、五代庵は2~3回と重ねて漬け込みしている点がポイント。
    複数回つけ込むことで、梅を熟成させてコクの深い梅干しに仕上げています。
    また、その後の脱塩作業もこだわりがあります。
    通常は水や湯などで脱塩処理をしますが、五代庵では調味タンクに漬けたまま、独自の脱塩技術を施しているのです。
    そのため、水や湯などによって梅の旨味を逃すことなく脱塩ができ、梅本来の味わいが楽しめる梅干しになっています。

    五代庵の紀州南高梅に対する思いは、以下のページからもご覧いただけます。

    五代庵の紀州南高梅について

    歴史における「令和」と梅の深い関係とは?

    歴史における「令和」と梅の深い関係とは?

    2022年現在の元号である「令和」。
    この令和は、梅の木と深い関係性があるのをご存じでしょうか?

    令和という名称は「万葉集」に掲載されている和歌を由来としています。
    大伴旅人が作った歌から2文字を取って名付けられました。

    「初春令月、気淑風和、梅披鏡前之粉、蘭薫珮後之香」
    (初春の令月にして 気淑く風和ぎ 梅は鏡前の粉を披き 蘭は珮後の香を薫す)

    春の訪れを告げる様に美しく咲く、白い梅の花を詠った和歌です。
    春は新学期、新生活など、新しいことの始まりの季節。
    これからの未来が明るく開けていくような、そんな希望が込められているのです。

    参考(外部サイト):梅の歴史|梅を知る|一般財団法人梅研究会

    現代ではさまざまな梅干しが作られている

    現代ではさまざまな梅干しが作られている

    江戸時代から食卓に広まっていった梅干しは、現在では色々な手法で作られています。
    ここでは梅干しを4種類ご紹介します。

    塩のみを使った白干梅干し

    塩のみを使った白干梅干し

    1つ目は昔ながらの製法、塩だけで梅を漬け込む塩漬け梅干しです。
    白干梅干しという名前で知られています。
    塩分がとても強くしょっぱいのが特徴で、塩だけで作れることから無添加としても人気です。

    白干梅干し 650gポリ角
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    ¥3,240(税込)

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    鮮やかな色のしそ漬け梅干し

    鮮やかな色のしそ漬け梅干し

    2つ目は真っ赤な色が食欲をそそる、しそ漬け梅干しです。
    塩だけで作った梅干しは梅の実の色をしていますが、製造工程で赤紫蘇を加えることで紫蘇の鮮やかな赤色を梅干しに移しています。
    しょっぱいながらも紫蘇の爽やかな風味が感じられることから、食卓でもお馴染みの梅干しです。

    しそ漬け梅干し 650gポリ角
    しそ漬け梅干し 650gポリ角

    ¥3,240(税込)

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    ほんのり甘いはちみつ梅

    ほんのり甘いはちみつ梅

    3つ目はまろやかな味わいが特徴的なはちみつ梅です。
    その名の通りはちみつを使って漬け込むので、通常の梅干しに比べ塩味が少なく、甘みが感じられます。
    しょっぱい・酸っぱい味が苦手な方でも食べやすい梅干しです。

    はちみつ梅うす塩味 550g(ポリ角)
    はちみつ梅うす塩味 550g(ポリ角)

    ¥3,240(税込)

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    食感が楽しいカリカリ梅

    食感が楽しいカリカリ梅

    4つ目はカリっとした食感が楽しめるカリカリ梅です。
    赤くて小粒のカリカリ梅は、仕出し弁当でもお馴染み。
    大粒の梅を用いる他の梅干しと違って、サイズがとても小さいので気軽にお召し上がりいただけます。
    食感が楽しいのでおやつ代わりにも人気の梅干しです。

    しそ漬け梅干し小梅 250gポリ角
    しそ漬け梅干し小梅 250gポリ角

    ¥1,620(税込)

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    五代庵では様々な味の梅干しをご用意しています。
    こちらの記事では人気の梅干しをいくつかご紹介しているので、ぜひご覧ください。

    【関連記事】梅干しの種類と選び方!実は豊富な梅干しの種類から人気ランキング6選を紹介!

    歴史を知り、梅干しを楽しむ

    歴史を知り、梅干しを楽しむ

    私達の食卓に当たり前のように存在する「梅干し」。
    しかしながら、梅干しが「当たり前」になるまでには、多くの先人の努力が必要でした。
    こうして当たり前に食卓で食べることができる今に感謝し、梅干しを味わっていきたいものです。
    そしてその食卓には、五代庵こだわりの梅干しをぜひご利用ください。

    ご自宅で手作りしてみたいという方には、こちらのコラムをどうぞ。
    紀州梅専門店五代庵がおすすめするレシピをご紹介しています。

    【関連記事】【梅干し専門店直伝】簡単に出来る自家製梅干しの作り方

    豊富な梅干しの中からお気に入りを探すなら、こちらの記事も参考にしてみてください。

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